2008年12月07日

ピアニィ・ピンク


 彼女と付き合い始めてから、四ヶ月が経った。少し男勝りで乱暴で、それでも優しい彼女は、デートのときに必ずピンクの服を着てくる。


 彼女に不満があるわけではない。容姿も悪くないし、性格も可愛い。だけど何度考えても何度見ても、ピンクは似合わないのだ。だけど俺はそれを言い出せずにいる。彼女はきっとデートの度にピンクのふわふわした可愛い服を探してくるのだろう。それを否定すると言うのはなんというか気が引ける。彼女がショックを受けたりしたらどうしよう、そればかりを気にしてしまうのだ。


 それでもやっぱり彼女はいつも着ている服の方が似合うし、無理してピンクの服を着るよりは普通にしていてほしい。そう思うのはきっと悪いことじゃないはずだ。俺は意を決して、彼女に話してみることにした。


「悪いけど、君にピンクの服は似合わないと思うんだ」

「知ってる。わざとだもん」

「ちょっと」
posted by しょこ at 02:19| Comment(0) | TrackBack(0) | SS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

宿

「貴女に一目惚れしました! 是非うちの宿に泊まっていってください!」




 旅先でそんな詐欺にあった。
posted by しょこ at 02:13| Comment(0) | TrackBack(0) | SS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

背中

「ていっ」

 突然彼女に背中を蹴られた。丁度靴紐を結んでいたときだったので、俺はバランスを崩して横に倒れる。

「何!?」

 俺が大声を出すと彼女も流石に驚いて、少したじろいでから「ごめんね」と謝ってきた。


「悪気はなかったんだよ?」

「ふむ」

「ほら、昔「蹴りたい背中」って題名の本があったじゃない」

「あったね」

「男ってそういうのに憧れるのかなって」

「ねえよ」
posted by しょこ at 02:12| Comment(0) | TrackBack(0) | SS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

one

 どんなものも存在と言うのは一つきりで、同じものなんか存在しない。同じように作ったコップだってリモコンだって、使い方や扱い方によって個性が出てくる。人間だとわかりやすいだろう。同じ人なんていない。性格も、顔も、一人一人違うのだ。

「君の名前はなんて言うの?」
「one」

 そういうことをわかっていて、きっと彼は自分に「one」という名前をつけたのだ。だから私は彼をoneと呼ぶことにした。

 私は感動して、友達にその話をした。





「実に利口な犬だと思わない?」

「騙された」
posted by しょこ at 02:10| Comment(0) | TrackBack(0) | SS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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