2013年02月15日

幸せを噛みしめながら、絶望に平伏せ

 2月14日。その日、俺の元に一つの小包が届いた。
 届いたとは言っても、実際に宅配業者に委託したわけではないらしい。宅配便の伝票に、宛先と名前だけ書いて、自分で持ってきて玄関に置いたようだ。
 差出人は、俺の幼馴染になっていた。

 幼馴染は何人かいるが、この包みを送ってきた少女は、その中の一人だった。彼女はうちの近くに住んでいる子で、幼いころはよく一緒に遊んだし、登下校を共にすることもあった。すごく引っ込み思案で、周りに苛められることも多くて、俺が守ってやらなきゃとどこかで思っていた。けれど、それも年と共に治まって、段々しっかりしてきて、友達もたくさん増えて……、年を重ねるうちに少しずつ疎遠になっていった。時々メールくらいはするくらいで、ついには学校も違くなった。別々の学校に通うようになって、きっと彼氏とかも出来たりするんだろうなと、なんとなく思っていた、
 2月14日、この日が何の日か、俺だって知っている。チョコレート業界は正月が終わった途端にチョコレートのCMを始め、1カ月以上に渡って、俺たち男を苦しめ続ける。もしかしたら貰えるかもしれない……そんな期待をしてしまう馬鹿な自分を、そんなわけあるはずない何度も戒めて、それでもどこかで期待している。それでいて結局当日になってみると、クラス中にチョコをばらまいている女の子からいくつか義理チョコを貰って、あと家族から貰って……それくらいで終わってしまう。
 けれど……目の前には包みがある。これは、もしかして。
 もしかして。
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posted by しょこ at 23:17| Comment(0) | TrackBack(0) | SS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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