2013年12月21日

小さな昔話

 私が死んだのはいつだったか、私が死んでからどれくらいの月日が経ったのか。いつからかそれを考えることすらやめてしまった。世界は簡単に移り変わって、環境も世界の情勢も何もかもが早いペースで変わっていく。文明は進化し、便利になり、法は整備され、人々の生活はどんどん豊かになる。私はただその移り変わりを、黙って眺めていた。
 黙って……というのは、少し語弊がある。時々、死んだ私の姿を見れる人間がいる。そういった人に会うと、関わってはいけないと思いつつも、やはり嬉しい。
「あなた、私が見えるのね? ……少し、話をしましょうか」
 人間の寿命は短い。私の姿形は少女の時のまま止まっているけれど、人間はすぐに成長していく。私はなるべく幼い……私が死んだのと同年代くらいの子に会うたびに話しかけて、少しだけ話をする。それ以上のことは望まない。ただの、おばあちゃんの暇つぶしのようなものだ。少しだけ話をして、少しだけその子の心に、何か残ればいいと思ってる。先生気取りか、はたまたおばあちゃんの知恵袋的発想なのか、それはわからないけれど。

(『キミへ贈る、ソラの花』、サブキャラクター由梨さんのSSです。
重大なネタバレが少しありますので、未プレイの方はお気をつけください)
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posted by しょこ at 03:47| Comment(2) | TrackBack(0) | SS・2次創作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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