2015年01月15日

星空のステンドグラス


 僕の通う普通の何の特色もない県立高校に天才が入学してきたのは、一年前の春のことだった。少女は絵画の天才……いや、芸術の天才というほうが正しいだろう。中学時代、何のコンクールにも送ったことがなかったのに、春の絵画コンクール全てで大賞を受賞した。絵を描くスピードも速く、しかしタッチは繊細で美しい。誰の目から見ても明らかな、天才。専門の学校への編入や、海外留学まで提案されたりしたらしい。けれど彼女はそれを拒否し、この学校で絵を描き続けている。
 取材の申し込みなどもあり、彼女は一躍有名人になった。学校側も美術部と彼女を離し、空き教室に鍵が掛けられるよう改造して、彼女のためのアトリエを作った。
 彼女の絵に魅せられた僕は、入学当初から同級生である彼女を追いかけ続けている。時々アトリエの前まで行き、彼女の描きかけの絵を見つめる。彼女が作るものは油絵が多かったけれど、水彩も含め、なんでもやる。粘土をこねているのも見たことがある。
 また、休憩しているときなどは、彼女は僕を教室内に招き入れてくれることもあった。

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posted by しょこ at 23:17| Comment(0) | TrackBack(0) | SS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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