2009年03月27日

潔癖

 性行為というものが、年を取ると負担にしかならなくなると言うことに、年を取ってから気づいた。気がつくと私は夫と交わることがほとんどなくなっていた。夫は不満に思っていたようで何度か体を求めてきたけれど、若い頃の感度を失くしてしまった私に飽きるのは時間の問題だった。
 
 そんなある日のことだった。部屋の中に何重にも包まれたティッシュのゴミが落ちていた。拾ってみるとそこには、白く粘々としたものが包まれていた。その日、私は夫と喧嘩をした。知らないと言う夫に対し、私は酷い罵声を浴びせてしまった。その日、私はリビングのソファーで眠った。
 次の日もその次の日も、家の至るところでティッシュが見つかった。窓際だったこともあるし、玄関にあったこともある。私はその日からノイローゼのように疲れ果ててしまって、食事は用意するものの、夫とは一言も言葉を交わさなかった。何のつもりだかもわからず、私は仕返しに現金を彼の枕元に置いてやった。やりたければ外でしてくればいい。何も、私に期待することないのに。
 
 それは、何日も過ぎたある日のことだった。物音がして廊下へ出てみると、知らない男が立っていた。手には白いティッシュのゴミを持っていた。
 
『次のニュースです。現在都内を中心に連続強姦魔が出没しており、警察では警戒を強めています。なお、被害女性の家には必ず、ここ最近ティッシュを丸めたようなゴミが家の中に捨ててあったという情報があり、犯人が何らかのルートで部屋の中に忍び込み、捨てていたと見て捜査を進めています。犯人が複数いる可能性も出ており、戸締りに気をつけ、もしそのようなゴミが発見された場合はすぐに以下の番号に連絡をお願いします』


なるべく綺麗にまとめたかったけど、気持ち悪いね。
posted by しょこ at 13:48| Comment(0) | TrackBack(0) | SS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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