2009年03月28日

誤算

「君が……あの子を手放すことはわかっていたよ」
「仕方が……なかったんだ。俺だって……」
「でも彼女は君を恨んでいる。ほら、牙を向き始めた」
「誤解だ……誤解なんだ! 決して彼女と君を秤にかけたわけじゃ……!」
「ふふ、果たしてその言葉が彼女に届くかな?」
「おまえだって、笑ってなんかいられないぞ」
「な、なんだって……? 彼女が……」
「ふん、何の役にも立たないと切り捨てたつもりだったか?」
「彼女を見くびっていたようだ……。これはもう一度、我が手中に収めなければならないようだな」
「なんだと? 彼女はもう俺のものだ! おまえなどに渡しはしない!」
「ほう。ならば精一杯守るのだな」
「な……! お前、なんてことを……!」
「一番大事なものを忘れると痛い目を見るぞ。何故お前にはまだわからないのだ」
「くっ……! 俺の……誤算だ……!」




 パチン、パチン、パチン
 男たち二人の前では、文字の入った木の札が、マス目に合わせて戦い続けていた。


変態将棋。きもいきもちわるいきもい。
posted by しょこ at 17:28| Comment(0) | TrackBack(0) | SS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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