2009年03月28日

圧力

「人と話してるときにね、その人の圧力を、感じるようになったの。具体的に」
 ついにこの子は頭がおかしくなったのかと思いながら、私は彼女の持っているミルクティをひょいと奪った。
 
 彼女の話を要約すると、彼女は人の会話に対する圧力のようなものを、感じることが出来るようになったらしい。簡単に言うなればプレッシャー。期待してないよと言いながらしてしまう、期待のようなものか。そういうのをよくわからないけど、感じるらしい。
「具体的って何よ」
「具体的なの! 背中にね、親指でぐーって押されるような感覚」
「はあ?」
 ともかくそんな感じらしい。もともと頭のちょっとあれな子だったので、まあ諦めたほうがいいかもしれない。ミルクティが取り返された。
「ほら、ほらほら今、馬鹿じゃないのみたいな圧力かけてるっ」
「おう、今更気づいたのか。出会った時からかけてるけど」
「なんだってーっ」
 もう友達やめようか。そんなことを思いながらもいつものように適当にあしらうような関係が続いていた。
 
 しばらくして、突然彼女からの連絡が途絶えた。会社でも会わないし、ケータイも繋がらない。私は少し心配になって彼女が勤めてる課に足を運んだ。彼女の話を出すと、言いづらそうな顔をしながら、こう言われた。
「背中の骨が砕けて、緊急入院してるらしい」

 圧力を感じる。その意味が私にはまだわからない。

圧力を感じすぎて急に砕けた背骨。
posted by しょこ at 22:19| Comment(0) | TrackBack(0) | SS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック