2013年09月07日

呪いの鉄棒

 近所の公園にね、一ヶ所だけ使っちゃいけない鉄棒があるの。壊れてるとかじゃなくて、ずっと前にそこで男の子が頭を打って亡くなったんだって。それで、使用禁止って紙が張ってあるの。
 私たちの間では、呪いの鉄棒って呼ばれてて、触っただけで呪われちゃうって言われてる。触った子が事故あったとか、そういう噂もあるみたい。

 だけどね、私はその鉄棒を今日から使おうと思うの。うちのクラスのみんな、運動神経すごく良くて、クラスでさかあがり出来ないのは私だけ。家から一番近いのが、その呪いの鉄棒のある、2丁目の公園なの。一つ離れた3丁目の公園には鉄棒がないし、4丁目の公園の近くには、私が鉄棒出来ないのを馬鹿にするクラスの男子が住んでるから嫌。だから、2丁目の公園で練習することにしたんだけど……。
 鉄棒は全部で4つの高さがあって、使っちゃいけないのは3番目の鉄棒なの。でもそれが一番私の身長にあってて、他の高さじゃどうしてもしっくり来なくて……。だから呪いの鉄棒を使うことにしたの。雨に濡れないように袋に入った紙が紐でぶら下げてあるだけだから、はじっこによければ十分練習するスペースは取れるし。誰かに見られるとあとでひどいこと言われるから、みんなが帰ったあと、夕方6時くらいから少しと、学校に行く前だったら多分大丈夫! お父さんとお母さんも、秘密で特訓するって言ったらすごく応援してくれたの! お父さんはストップウォッチを貸してくれて、時間を決めてやりなさいって。弟がいるから、ずっと見ててはくれないけど、時々見に来てくれるって約束してくれた。
 絶対、さかあがり出来るようになる! いっぱい練習して、みんなを見返してやるんだから!



「9月16日、あなたは近所の公園で遊んでいた、9歳の少女を殺害した。間違いありませんか」
「はい」
「少女は一人で公園で遊んでいたのですか」
「……鉄棒の練習をしていました」
「鉄棒?」
「あの子は2週間くらい前から、あの公園でこっそりさかあがりの練習をしていたんです。私、あの子のことをずっと見ていました。何度も何度も、めげずに練習していました」
「……」
「その日、初めてその子はさかあがりを成功させました。だから私はその子を殺しました」
「……どうして」

「だって息子は、さかあがりの練習中に死んだのに。使用禁止だって私はちゃんと書いたのに、その場所で練習して、息子が出来なかったことを成功させるなんて、許せない」



なんか2年くらい前に書いたのが発掘されたので!
最後のほう書き直そうと思ってたような気がするんだけど、どう書き直そうとしてたのか思い出せないのでこのまま。
「幼女が書きたい!」と思ったんだと思います!
posted by しょこ at 19:29| Comment(0) | TrackBack(0) | SS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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