2014年02月14日

普通より少しだけ幸せなだけの道


 2月14日。バレンタイン。世間では女性が男性にチョコレートを贈る日とされ、充実した生活を送っている男女からしたら、本当に一大イベントだ。だけど俺は今までそういうものからは無縁で、『今年も貰えなかった』と肩を落とすようなバレンタインを送ってきていた。
 だけど、大学生になった今は少し違う。少しだけ、気になっている女の子がいる。その子も多分俺に好意を持ってくれている……気がする。まだ告白には至っていないけど、感触はいいというか、タイミングを見計らってると言うか。
 ……まあ俺の気のせいかもしれないけど。
 そうじゃなくても、同じ学科に女の子はいる。多分、毎年のように0個(母さんの分を除く)ということはないと思う。いつもより少しだけ早く、俺は大学に向かった。


 テスト週間も終わり、学校にいる女子はまばらだった。集中講義を取っていたり、部活があったりする子だけ学校に来ている状況。そして意中のあの子は……学校には来ていないようだった。
 軌道修正。……これはやっぱり、0個もあり得る。
「あっ、おはよ〜!」
 同じ学科の活発な少女――佐々木由紀が俺を見かけて走ってくる。大きなビニール袋を持っているので、走るたびにガサガサと音が響いた。
「早いね〜。チョコ待ち?」
「いや、ちょっと早く目が覚めちゃって」
「チョコが欲しくて?」
「いや〜、まあ……期待してないわけじゃないけど」
「正直だなあ。……はい、チョコレートっ」
 小さなビニールに入った、ココアの生チョコが3つ。義理チョコだとはわかるが、やっぱり嬉しい。
「ありがとう。……っていうか、何個作ったんだ?」
 彼女が持っている大きなビニール袋……、一つがこのサイズだとしたら、何個のチョコが入ってるんだろう。
「うーん、100個くらい?」
「100個!?」
「愛は見返りを求めないんだよ。でもできたら3倍返ししてね」
「わかった。キャンディ10個くらい返すよ」
「わーいっ、じゃあね〜!」
 佐々木はそれだけ言うと、「おはよ〜!」と別な男子のところに走っていく。見ると女子にも配っているようで、本当にただばら撒きをしているようだった。まあいい。とりあえず1個だ。
 あとは……っと。つい講義室を見渡してしまう。広い講義室の後ろの方に座ってるから、ほとんど全体が見渡せる。そして、あちこちで、チョコのやり取りが起こっていて、ちょっと羨ましい。……まあ、こんなところで受け渡しするんだから義理だろうと、仕方なく自分に言い聞かせる。
「おはよう」
「おはよう〜」
 今度は女子二人組。仲が良く、いつも一緒にいる子たちだ。俺も平静を装いながら、「おはよう」と返す。髪の長い子が木島さんで、結んでいる子が工藤さん。二人とも真面目で、頭がいい。
「これ、少しなんだけど」
「はい。私からも」
 ちゃんと個別の小さな紙袋に入って。少しだけ覗き込むと、少し高級そうな箱入りのチョコが入っていた。こ、これは……ちょっと、すごく嬉しい。
「こないだのグループレポートの時にお世話になったから、そのお礼」
「ありがとう……! すごく嬉しい」
「大袈裟だなあ」
 工藤さんがそう言って笑う。いや、この子たち、男がチョコを貰うことにどれだけときめいているかわかってない。
「お返ししたいんだけど、3月は? 実家戻ってる?」
「そうだね。詳しい予定決めてないけど、学校には来ないと思う」
「じゃあ4月に入ってからになっちゃうけど、いいかな?」
「気にしなくてもいいよ。そんなに高い物じゃないし」
「そんなわけには行かないって。なんか考えとくね」
「うん、わかった。じゃあ楽しみにしてるね」
 これは、さすがに嬉しい。さっきのついでばら撒きチョコとは違う。思わずにやけてしまいそうになる。
「言っとくけど、義理だからね?」
「わかってるよ。嬉しいけど」
「本命チョコは莉子ちゃんから貰うんでしょ?」
「あ〜……いや……」
 莉子ちゃん。俺が気になってると言っていた、今井莉子さんのことだ。大人しくて思慮深くて、黒い髪は凄く艶があって綺麗で、何より、凄く可愛い。というか、筒抜けか。
「まだ付き合ってるわけじゃないし、連絡もないし、学校にも来てないみたいだし……」
「やっぱり夜じゃない? 夜に会えないかってメールが来て、そのまま……」
「いやいや、俺バイトもあるし、そんな……」
「今日、寒くなるって言ってたもんね。帰れないんじゃない?」
「いや、いやいやいや……」
 からかわれてるってわかってるけど、さすがにドキドキしてきた。しばらくメールしてないけど、もし用意してくれてるとしたら、メールくれる……よな……。多分……。
「頑張ってね! 応援してるから! 進展あったら連絡してね!」
 二人は俺をからかいながら去っていく。……なんだか、すごく緊張してきた。
 自分からメールするわけに行かないよな……。「何してる?」とか……うわああ最低だ! これは待つしかない……よな……、信じるしかない……。俺は何度も自分に言い聞かせながら、講義の時間を過ごした。



 昼休み。手持ちのチョコは3つ。未だに、意中の彼女からの連絡はない。これは、諦めたほうがいいのかもしれない。実は俺のことなんか好きじゃなくて、別の意中の男にチョコを渡して、既によろしくやっているかもしれない。
 ああ、胃が痛くなってきた。辛い……辛い。
 食欲は全くないけれど、ふらふらと売店へ向かう。適当にパンでも買うか……。
 もう、いっそのことこっちから告白する勢いでメールしてしまおうか。いや、でも『チョコ用意してない』とか言われた時のショックが大きすぎるし……もうその時点でダメってことだし……。ああ……あああ……ああああ……。あああああ。
「何変な顔してんの?」
「あ、先輩」
 俺は形だけの歴史研究部とやらに所属している。本当に形だけで、基本的には暇な人たちが集まってだべったり、遊んだりしているだけだ。おかげで部員は多い。何もしてないけど。先輩は1個上の女性の先輩で、彼氏がいるかは……知らない。よく男と遊んでいるのは見る。
「先輩……。ちょっと相談したいんですけど」
「はいはい」
「実は意中の女の子がいるんですが」
「おう、私か」
「先輩じゃないです。学校に来てないみたいで、連絡もないんです。お腹痛い……」
「なんでバレンタインが全部みたいになってんのよ……」
 先輩はそう言って溜め息を吐く。いや、確かに、そうかもしれないけど。
「実家に戻ってるとか、いろいろあるんじゃない? 今日、ただの平日だし」
「でも、用意されてないってことは、そういうことじゃないですか。渡す気あったら連絡来るじゃないですか。こっちから連絡していいですかね……」
「いやー、だめじゃないかな……さすがに……」
「そうですよね……」
 やっぱり、ダメか。今日一日なんとか耐えないと……。
「他の男とよろしくやってたら目も当てられない」
「やめて! やめてください!!」
「冗談だよぉ。連絡来るといいねぇ」
 先輩はすごく楽しそうににやにやと笑って見せた。他人事だと思って。酷い、酷過ぎる。
「あ、そうだ。今日部活来る?」
「いえ、今日はバイトあるんで」
「じゃあこれ」
 先輩は鞄の中にある大きな箱を開ける。中にはびっしりといろいろな形のクッキーが詰まっていた。
「わあ、先輩が作ったんですか?」
「まあ一応。はい、1枚あげる」
「ありがとうございます」
 部活で適当に食べられるように作ったのだろう。包装紙もなく、そのまま手渡し。これはすぐ食べるしかないか……。
「まあ、頑張ってね。ダメだったら連絡頂戴ね。笑い話にするから」
「やめてください!」
 そう言って先輩はケラケラと笑いながら去って行った。酷い人だ……。



「……はあ……」
 時刻は22時。学校が終わってバイトに行って、その間ずっとポケットにケータイを入れて連絡を待っていたんだけど、結局彼女から連絡はなかった。
 やっぱり……俺の気のせいだったのかもしれない。きつい。辛い。
 目の前にはチョコレートが4つ。先輩から貰った分は食べたから、貰ったのは5つか。バイト先の女の子から一つ貰って、一個増えたけど……。
 ……やっぱり、空しい。嬉しいけど、やっぱり辛い。気になってる子から貰えなくて、他の人には「義理」って宣言されてるし。
 今日俺にチョコをくれた全員、他に本命が居ると思うとやりきれない。辛い。
「……連絡、したらダメだよな……」
 いや、ダメだって先輩にも言われたはずだ。だけど……やっぱり気になる。俺のこと、莉子ちゃんはどう思ってるんだろう。全部気のせいだったんだろうか。気のせいならそうだって言ってほしい。だけどそれは俺の勝手だろうか……。というか、22時だし。無理だし。寝てるかもしれないし。寝てるって……あああああああああああ……。辛い……。
 その時、ピピピピピっとケータイの着信音が鳴り響く。驚いて画面を見ると、彼女の名前が表示されていた。
「もしもしっ」
『あ……莉子です。遅くにごめんね。起きてた?』
「う、うん。起きてた。全然起きてた」
『あのね、今日できたら会いたかったんだけど……遅くなっちゃって……』
「そ、そうなんだ。うん、そう思ってくれただけで嬉しいよ、うん」
 「何してたの?」とか聞きたかったけど、なんとか飲み込む。もしかしたら何度もチョコを作りなおしたりとか、いろいろ用事とかもあったのかもしれない。うん。それ以上に舞い上がってる自分が居て、すごく落ち着かない。嬉しい。
『それで、良かったらなんだけど……、明日家まで行ってもいい?』
「えっ!? う、うん! いいよ! 明日ねっ。何時くらい?」
『朝……10時くらい。早い?』
「うん、大丈夫! 10時ね?」
『ありがとう……。それじゃあ明日ね。おやすみなさい』
「おやすみ」
 電話を握る手が、ぐっしょりと濡れていた。心臓が、バクバクと音を立てている。ああ、良かった、良かった。忘れられていたわけじゃなかった。良かった。すごく嬉しくて……なんか、体が、やばい。やばい。超熱い。ああ……。良かった……。
 とにかく、明日の10時。男の六畳一間の1人暮らしの部屋は、さすがに女の子を呼べるような状態じゃない。今すぐ片付けて……掃除機は明日の朝掛けよう。飲み物とか……あったかな。コップも準備して、溜まった洗い物も片付けて……。シ、シーツとかも変えたほうがいいんだろうか? い、いやいや落ち着け、朝の10時だ。いやでも、そのままさよならって感じではないよな……。予定ないんだったら……デートとか……。デート……。で、デートプランとか、用意したほうがいいのか!? でも予定あるかもしれないし……。でも10時からなら昼食くらいは一緒に食べられるかもしれない!
 なんとか片付けて、布団に入っても、いろいろなことが気になってケータイで検索を掛けて……。結局眠れたのは朝方になってからだった。

 ピンポーンと、玄関のチャイムの音で目が覚めた。あまり寝た気がしないが、すぐに飛び起きる。掃除機! 掃除機まだ掛けてないのに……! しかし、まだアラームすらなる時間じゃない。8時。こんなに早い時間に……?
「はい……」
 玄関を開けた先に居たのは、図体のでかいおじさんだった。思わず身構えてしまう。
「な……なんでしょう……」
「警察だ。ちょっと話を聞きたいんだけど、いいかね?」
「警察……? 何かあったんですか……?」
「大学から名簿を貰ってね。昨日講義に出ていた子たちを中心に話を聞いているんだ」
 講義に……? 寝起きなのもあって、頭が回らない。つい数時間前まで、今日家に来てくれる莉子ちゃんのことをずっと考えていたのに、突然、警察だなんて。
「佐々木由紀、木島絵美、工藤亜里沙。3人と面識は?」
「そりゃあ……あります。同じ学年で、同じ学科ですから……」
 3人の名前を聞き、心臓が大きく跳ねる。その3人は……俺が昨日チョコを貰った相手だったから。
「昨日は? 何か話した?」
「は、話し……ました。バレンタインで……チョコを貰って……」
「誰から?」
「3人とも、です。佐々木さんは、たくさんチョコを作って配り歩いてて、木島さんと工藤さんは、ちょっと前にレポートで一緒の班になって……」
 何か、あったのだろうか。わからない。聞きたいけど、聞くのが、怖い。
「ちなみに、2年の河野舞さんは? 面識はある?」
「え……?」
 わからない。どうして、こんなことを俺は聞かれているんだ……?
「……先輩、です……。歴史研究部の……」
「昨日は会った?」
「会いました……。ちょっと会って、話して……。放課後は部活に行くって言ってました……」
「そうか……。全員、面識があるんだね」
「あの……どういう……」
 全員。どうして、俺の知っている……昨日話したばかりの人間の名前が刑事さんの口から出てくるのか、わからない。
「ニュース、見てないかい? 殺されたんだよ。4人とも、昨日」
「……え……?」
 殺された? 彼女たちが? 昨日会って、他愛のない話をした、4人が。
「3人は同じ学科で同じ学年……。だけど河野さんは学年も学科も違うからね。共通点がなくて」
「殺され……なんで……、なんで……ですか……? 誰に……」
「それがわからないんだ。私たちも捜査を始めたばかりで、今日は学校も休みだし、今は聞き込みをしている」
「……そんな……」
「君は4人と知り合いなんだね。もう少し聞き込みをしたら、もっと詳しく話を聞くかもしれない。連絡先を教えてくれるかな」
 俺はケータイの番号を教え、刑事さんは去っていく。わからない。なんで……殺されたって……。嘘だろ……? 俺は急いでテレビを点ける。どのチャンネルも「女子大生連続殺害事件」と大きく報道し、学校や俺の見たことのある道がテレビに映し出されていた。
 信じられない。実感が、湧かない。ショック過ぎて、涙も出なくて、ただ、震えが止まらない。声が、声が、繰り返されて。
 「愛は見返りを求めないんだよ」って「莉子ちゃんから貰うんでしょ」って、「ダメだったら連絡頂戴ね」って、全部、全部、何回も、何回も。昨日、彼女たちと話した言葉が、何度も、何度も。
 ニュースの内容が、頭に入ってこない。聞きたくなかった。嘘であって欲しかった。
 それから、どれくらい経っただろう。ピンポーンと、もう一度チャイムが鳴った。
「ごめんね。ちょっと早く着いちゃった」
 玄関を開けると、莉子ちゃんが元気な声を俺に向けてきた。冬だと言うのに、丈の短いワンピース。俺のためにお洒落をしてきてくれたのだろうか。嬉しいはずなのに、今はそんな感情が湧いてこない。
「莉子ちゃん、ごめん、ちょっと、今日は……」
「どうしたの……? すごく、顔色悪いよ……?」
 莉子ちゃんは、知らないのだろうか。同じ大学の学生のことを。殺人事件のことを。各地が騒がしいのに、気付いてない?
「今、ニュースで、大騒ぎになってるんだ。殺人事件だって……」
「えっ!? ご、ごめん……知らなくて……。上がっていい? ニュース、見せて……」
「うん……。ごめん、掃除機掛けてないけど……」
 莉子ちゃんは急いで、つけっぱなしのテレビの前に座り込む。殺された人たちの名前を見て、口元を抑える。
「……そんな……。なんで……」
「……さっき、うちのも警察の人が来た。だから……」
「わ、わかった。わかってる。だけど……待って、これだけ……どうしても、渡したくて……」
 小さな紙袋に入った箱……。手作りなんだろう。
「ありがとう……」
 すごく、嬉しい。すごく、嬉しいはずだった。今じゃなければ、こんな状況じゃなければ、抱きしめていたかもしれない。だけど……。
「でも、どうして……殺人なんて……」
「……どうして……だろう……。わかんない……。俺も、気が動転してて……ごめん……」
「うん……、わかるよ。私もびっくりして……、なんて言ったらいいか……わからない……」
 言いながら、彼女は下を向く。莉子ちゃんも酷く、ショックを受けているようだった。当然だ。同じ学科で……3人とも顔見知りで、俺よりもずっと親しかったに違いない。俺だって、こんな状況なんだ。莉子ちゃんはもっと……辛いに違いない。
「それだけ、どうしても、許せないことが、あったのかもしれないね」
「え……?」
 冷たく、ゆっくりと、莉子ちゃんは噛みしめるようにそう言った。その様子が、なんだか、おかしくて……。
「あ……ごめんね……。何でもないの……ごめん……。ショックで……、なんか変なこと言っちゃった……ごめんね。忘れて……」
 どうして、だろう。何かが、引っかかっていた。亡くなった、4人。4人と面識がある、俺。4人と、昨日会って、昨日……。
 チョコレートを、俺に、くれた。先輩はクッキー1枚だけだったけど。だけど……、これは……偶然、なのか……? いや、佐々木さんと先輩はいろんな人に渡してたし……、いや……でも……。なんで……。
「莉子ちゃん、昨日、何してたの?」
「昨日? ちょっと用事があって。ごめんね、終わったら連絡したかったんだけど」
 ふと、ニュースを見る。河野舞……先輩の死亡推定時刻は、21時半だそうだ。莉子ちゃんから電話があったのは22時。用事が……終わった?
「……昨日って、学校、来てないよね?」
「行ってないよ。どうして?」
「……そう。だよね……」
 いや、何を言ってるんだ、俺は……。そんなわけ、ない。俺にチョコをくれた人が亡くなってるなんて、そんなことありえない。偶然だ。だって、そうだとしたら……。もう一人、いる。俺にチョコをくれたのは……、バイト先の……女の子……。
 見ると、莉子ちゃんは立ち上がって……、テーブルの上をじっと見つめていた。
「これ、バレンタインに女の子から貰ったの?」
「……うん。義理だけどね」
「そうなんだ。モテるんだね。……ねえ……」
 彼女の指先が、汚いものを掴むように。
 バイト先の女の子から貰った、チョコレートの袋だけを、掴んだ。
「これは、誰から貰ったの?」
 ああ。
 知らないんだ。これだけは、分からなかったんだ。バイト先の店内で渡されたから。だから、あの子だけ、無事なんだ。女子大生、4人だけなんだ。
「自分で買ったんだよ。莉子ちゃんが連絡してくれないから、寂しくなって、コンビニで」
「え……?」
「本当だよ。恥ずかしいけど、レシートは捨てちゃったからないけど。昨日ずっと、莉子ちゃんを待ってたんだ」
「そんな……。連絡してくれたらよかったのに……」
「そんなことできないよ。莉子ちゃんは俺のこと、好きじゃないのかもしれないって思ったから」
「そんなっ……! そんなこと、ない……!」
 ぎゅっと、莉子ちゃんが俺の肩に手を回す。シャンプーと香水の香りの中に……何か……混ざっている気がした。気のせいかもしれないけど。
「大好きだよ。貴方だけ……本当に、本当に大好きだよ。ずっとずっと、一緒に居たいよ。他の誰も見ないでほしいし、他の誰とも話さないでほしい……けど、それは出来ないのわかってるよ。それくらい大好きだよ。本当に大好きだよ。ねえ……」
「わかってるよ」
 自分の推測が、どこまで正しいかわからない。これからどうしたらいいのかもわからない。どうするべきなのかもわからない。証拠があれば、莉子ちゃんは捕まるんだろう。その前に疑われるのは俺なのか? わからない。けれど、証拠がなければ、莉子ちゃんは捕まらない。捕まらないなら……。
「大好きだよ、莉子ちゃん」

 知り合いを4人も亡くした俺は。
 目を閉じて耳をふさいで。自分の推測にも恐怖にも気付かない振りをして。
 2月15日、普通より少しだけ幸せな道を歩くことにした。



途中まで本当に主人公の心境でドキドキしたり吐きそうになったりして、
今はなんだかとても喉が渇きました。疲れた。
SS書くときあんまり名前付けないんですが、さすがに登場人物多いとそういうわけにも行かなくて適当に名前付けました。

お読みいただきありがとうございました!
良いバレンタインをお過ごしください!
posted by しょこ at 18:18| Comment(0) | TrackBack(0) | SS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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